不登校の同級生に対して「あの子、学校に来なくてずるい」と思ってしまう子どもはよくいます。
その理由は
- 学校に来ないのに家でゲームをしている
- 普段は来ないのに、行事だけ参加しに来る
- 部活だけ来てる
- クラスの役割など他の子が代わりにやっている
など不登校の子どもに対して不満があり、それがずるいと思う理由になっています。
しかし本当に不登校の子どもはずるいのでしょうか?
そしてなぜ他人をずるいと思ってしまうのでしょうか?
この記事では、不登校の子どもに対してよく言われる「ずるい」と言う気持ちがなぜ起こるのか、本当にずるいのかを考えてみます。
この記事を書いた人
- めるるん
- 小学生の不登校の母親
- 最近ネットで「不登校はずるい」と見て落ち込んでいる(/_;)
不登校はつらいことだらけ
まず不登校の親として思うのが不登校はつらい、ということです。
最近は「学校は行かなくても大丈夫」という風潮になってきましたが、
それでもまだまだ不登校は少数派。
しかも「学校は行かなくても大丈夫」と言う声が大きくなると、必ず反発する人も出てきます。
そして「最近の親はすぐに学校を休ませる。かんたんに不登校にさせている。」
と批判の声も上がっています。
不登校当事者じゃないとわからない苦悩
不登校のつらさは経験してみないとわからないです。
私自身は学生時代に不登校の経験はないですが、子どもが不登校になり親としてつらさを感じています。
不登校をずるいと言う人の中には、不登校のことをよく知らない人が多いです。
しかしそれは当然のことで、結局経験しないとこのつらさはわからないと思います。
メリットよりデメリットの方が多い
不登校は親も子どもも毎日つらい思いをして過ごしています。
おそらく不登校はメリットよりもデメリットの方が多いと思います。
不登校のメリット
不登校のメリットは学校に行って起きる嫌なことから一時的に逃れられること。
たとえば、
- いじめられない
- 先生に怒られない
- 勉強をしなくていい
- 部活に行かなくていい
など、一時的に自分の心を守るために避難することができます。
特に不登校の原因が、いじめや教師による理不尽な指導なら避難することは必要なことだと思います。
不登校になり一時的に避難できたとしても、心に深く傷を負っているとその回復に時間がかかります。そうなると家にいても学校で起きたことを思い出してしまい、心から休めることが難しくなります。
不登校のデメリット
不登校のデメリットはメリットよりも多いです。
たとえば
- 勉強がおくれる
- 欠席が多く、進学の幅が狭まる
- 内申点が下がる
- 同年代との交流が減る
- 学校でしか経験できない行事、部活に参加できない
などが挙げられます。
特に中学生だと進路のことを考えるので、親子で将来への不安が大きいと思います。
しかしこれらよりも心配なのは、不登校になったことで生じる心の問題です。
- 学校に行けない自分を責めて自己肯定感が下がる
- 自信がなくなる
- 自分なんか生きている意味がないと感じるようになる
- 人目がこわくなり、外出ができなくなる
特に外出ができなくなると、将来引きこもりになるのではと親は心配でたまらなくなります。
また子どもが不登校になると親同士も意見が合わず、喧嘩が増えます。
子どもは「自分のせいで両親が喧嘩している」と感じ、
「自分はいない方が良いのでは」と思うようになります。
そして将来の不安や自分の存在を責め、
最終的に自死してしまう子どももいます。
不登校はデメリットの方が多く、けっしてずるいことではないです。そして学校に行かないことでやらなかったことも、いつかやらなければならないときがきて後々苦労することも。
なぜ不登校の子どもに対してずるいと思うのか
なぜ不登校の子どもに対して「ずるい」という気持ちが起こるのでしょうか。
またこれは子どもだけではなく、大人でも不登校の子どもに対してずるいと思う人がいます。
ずるいと思う子どもの気持ち
不登校の同級生に対してずるいと思う子どもは多いです。
そして実際に不登校の子どもに「ずるい」と言って、傷つけてしまう子どももいます。
不登校をずるいと思う理由で多いのが以下の4つです。
- 学校を休んで家で好きなことをしている
- 勉強、部活、行事、人間関係などから逃げている
- 自分も休みたいのに休ませてもらえない
- 行事だけ参加や放課後登校など特別扱いされているように感じる
学校を休んで家で好きなことをしている
たとえば学校を休んでいるのに、家でゲームをしているなどです。
特に今のゲームはオンラインでやるので、
不登校の子どもが平日の昼間にゲームをしているのが他の人にもわかるそうです。
勉強、部活、行事、人間関係などから逃げている
学校に通っている子どももみんな楽しく毎日過ごしているわけではありません。
勉強や部活、行事の準備など面倒くさいことや嫌なことを我慢している場合もあります。
そして煩わしい人間関係やいじめなど、我慢しながら乗り越えている子どももいます。
自分も休みたいのに休ませてもらえない
学校に通っている子どもの中にも、学校を休みたいと思っている子どもがいます。
しかしそれを親に言えなかったり、
言えたとしても怒られたり、中には無理やり学校に行かされてる子どももいます。
行事だけ参加や放課後登校など特別扱いされているように感じる
不登校の子どもが学校の行事(修学旅行や運動会など)にだけ参加するというのはたまにあることです。
これは教室が苦手な不登校の子どもが、
「普段と雰囲気の違う行事なら参加できるかも」と勇気を出して参加しているのです。
しかし普段から学校に通っている子どもからすると、納得がいかないでしょう。
「面倒くさい行事の準備もしないで本番だけ参加するのはおかしい」
「特別扱いされていてずるい」となるのは仕方がないと思います。
また不登校の子どもが、放課後に先生からマンツーマンで授業を受けることもあり、
これも特別扱いのように感じるようです。
不登校の子どもをずるいと思う気持ちの根底にあるのは「学校が楽しくない、面倒くさい、学校休めて羨ましい」という気持ちなのかもしれません。
ずるいと思う大人の気持ち
次に不登校の子どもに対してずるいと思う大人も少なくないようです。
大人なのになぜ子どもに対してそんなことを思うのでしょうか。
その理由は以下の3つが考えられます。
- 自分の子ども時代は休める環境じゃなかった
- 自分の子どもを学校に無理やり行かせている
- 頑張って学校に通っている自分の子どもがかわいそう
自分の子ども時代は休める環境じゃなかった
ネット上でよく見る意見が
「今の子どもはいいよね、昔は休みたくても無理やり行かされた」
というものです。
昔は学校を休めなかったので、今の子どもはずるいと思うそうです。
自分の子どもを学校に無理やり行かせている
自分の子どもから「学校に行きたくない」と言われて無理やりなんとか行かせている親が、
不登校の親子を「ずるい」と言っている場合があります。
「自分はこんなに頑張って行かせているのに」と
不登校の子どもというよりその親に対して「ずるい」と思っているようです。
頑張って学校に通っている自分の子どもがかわいそう
自分の子どもが学校に嫌々通っている場合、不登校の子どもに対して
「うちの子は頑張って通っているのに、あの子は不登校で楽してずるい。」と
思う親もいるようです。
大人も子どもも共通するのは「自分は頑張って学校に通っているのになぜ楽しているの?ずるい」ということ。もし学校が子どもにとって通いたくなる場所なら、こんなふうには思わないのではないでしょうか
不登校になるためには、まわりを説得させなければいけない
不登校の子どもに対し、学校に行っている子どもが「ずるい」と思うのはよくあることです。
しかし学校が楽しい場所なら、ずるいとは思わず「学校に通えなくてかわいそう」となるはず。
不登校をずるいと思うのは
「本当は自分も学校に行きたくない」と思っているからではないでしょうか?
もし本当に学校に行きたくないのであれば、まわりの大人に伝えてみてください。
しかし不登校になるとその後の進学に影響があったり、
学校でしか経験できない行事や部活動などができなくなってしまいます。
不登校の子どもはそれでも学校に行きたくない、もしくは行けないのです。
その覚悟があるのであれば、学校を休みたいことをまわりの大人に話してみることをおすすめします。
不登校はずるくない
不登校はけっして楽ではないし、ずるくもありません
毎日毎日将来のことが不安で眠れない子どももいます。
人に会うことがこわくなり、外出もできない子どももいます。
うつ病になったり家庭が崩壊する場合もあります。
不登校はサボりたくて学校に行かないのではなく、
いじめや学校に対して不安が強いなど、理由があって行けないのです。
不登校の子どもからすると学校に通えている子どもの方が羨ましいんです。
もう一度言います、不登校はずるくありません。
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