感覚過敏の女子高生が主人公のドラマ「ケの日のケケケ」を見た感想

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2024年3月にNHKで放送され、録画したまま見れていなかったドラマ「ケの日のケケケ」をやっと見ました!

このドラマ、SNSの不登校界隈や発達障害界隈などで話題になっていてずっと気になっていたんです

小学生不登校の娘と一緒に見たんですが、娘も意外と楽しく見れていたようです(途中こわがるシーンもありましたが)

まわりには理解されない感覚過敏という特性に悩みながら、理解のある同級生や先生、家族と一緒に成長していく過程が描かれています

共感するセリフやハッとさせられるセリフもたくさん出てきます

あと44分という短い時間もちょうど良かったです^^

目次

「ケの日のケケケ」のあらすじ

主人公の片瀬あまねは感覚過敏(聴覚、視覚、味覚、触覚など)のある女子高生

入学した高校は全員部活に入るという校則があり、感覚過敏があるため部活に入ることが難しいあまねは自分で部活を作ることにする

それが人生を休憩したい人のための部活、ご機嫌でいるための部活、「ケケケ同好会」

ちなみに「ケケケ」とはあまねと母親の笑い方からきている

のちに顧問になる和泉先生から「ハレとケ」の話を聞いて、「日常を表すケの日から笑おう」という意味を込めることにした

部活を作ろうとするあまねだが、先生や先輩から反対されてしまう

またそのころ母親が再婚

あまねの感覚過敏に理解のない新しい父親との生活がつらくなり、家にも学校にも居場所がなくなったあまねは学校を休みがちになる

登場人物

片瀬あまね(演:當間あみ)

主人公の高校生

感覚過敏があり、特に聴覚、視覚、味覚が過敏

生徒の声や拍手の音、太陽の光、偏食などがあり、学校ではヘッドフォンやサングラスをつけて過ごしている

特に子どもの声が苦手なため、母親が妊娠したさいは「赤ちゃんの泣き声に耐えられず殴ってしまうかも」と取り乱してしまう

進藤琥太郎(演:奥平大兼)

あまねのクラスメイト

中学時代は陸上部だったが、自らが壊れないようにと退部してしまう

あまねのよき理解者となり一緒にケケケ同好会発足を目指す

松木香織(演:中井友望)

あまねと琥太郎の同級生

母親の介護をしており学校に通えていない

あまねとはチャットで仲良くなり、ケケケ同好会に入部

のちに母親が亡くなる

佐野一輝(演:望月歩)

あまねが1年生のときの3年生で生徒会長

哲学が好きで特に「ディオゲネス」が好き

司書の和泉先生とよく話している

ケケケ同好会に入部し、同好会発足を認めさせた

和泉斧助(演:岡山天音)

司書の先生でケケケ同好会の顧問になる

三富幸子(演:山田キヌヲ)

あまねと琥太郎の担任で陸上部の顧問

琥太郎に陸上部に入るように厳しく言ったり、あまねの感覚過敏に理解がない

部活に入れないあまねに「校則を守れないならもっと自由な学校に行けば?」と言う

最終的に生徒会長に立候補するあまねに降参するような表情(笑顔?苦笑い?)を見せた

皆見樹李(演:小宮山莉渚)

あまねと琥太郎の1年先輩で生徒会役員

小学生時代に琥太郎と同じ陸上部だったが、足を怪我してしまい陸上部のマネージャーになる

陸上部に入らなかった琥太郎を陸上部に入れようとしたり、ゆるい部活であるケケケ同好会の発足に反対する

しかし最後にはあまねに「部活に入りたくなければ生徒会に入ればいい」と伝え、あまねが生徒会長になるための後押しをする

片瀬響子(演:尾野真千子)

あまねの母親でシングルマザー

のちに樋口龍と再婚して妊娠、出産する

あまねから「きょうちゃん」と呼ばれており、母親らしくない母親だがあまねは「そこが良い」と言っている

再婚相手の樋口から「もっと母親らしくあまねをしつけした方がいい」と言われ、あまねに対する態度を変えようとしてあまねと喧嘩してしまう

樋口龍(演:板橋駿谷)

あまねの新しい父親

優しく料理上手だが、あまねの感覚過敏に理解がなく最初は上手くいかなかった

印象に残っているシーン

私が印象に残っているシーンを紹介します(‘ω’)ノ

途中イライラするシーンもありますが、泣けたり共感したり、最後には笑顔になるドラマでした!

(小学生の娘は怒る先生とこわい樹李先輩が嫌だったようです・・・)

印象に残ったシーン

  • 感覚過敏の大変さ
  • 担任の先生の感覚過敏の理解のなさ
  • 母親の彼氏
  • 彼氏の影響で変わっていく母親
  • あまねの実の父親
  • ケケケ同好会に反対していた樹李先輩があまねを認める
  • 最後には生徒会長になったあまね

感覚過敏の大変さ

まずは主人公のあまねの感覚過敏がどういうものなのか、なにが大変なのかが描かれており強く印象に残りました

家から外に出るだけでも車の音や、子どもたちの声、太陽がまぶしいなどストレスになりそうなところがたくさん

学校でもヘッドフォンをつけ、まぶしいときにはサングラスをしなければなりません

またどんなに好きな人でも触れ合うこともできないそうです

そしてなにも知らない人からは「変わっている人」扱いを受けます

感覚過敏も様々なようですが、毎日本当に生きづらいだろうなと感じました

担任の先生の感覚過敏の理解のなさ

あまねの担任の先生に本当にイライラしました(;^ω^)

いわゆる体育会系の先生で、ルールにとにかく厳しいです

あまねがヘッドフォンをしていることに文句を言ってきたり、部活に入れないあまねに「転校すれば?」と言ってきます

とにかくデリカシーがなく人の気持ちがわからなそうですが、「こういう先生いるよなぁ」って思ってしまいました

母親の彼氏

あまねが家にいるのに母親が彼氏を突然連れてきてしまいます

正直高校生の女の子がいるのにどうなの?って驚きました

あまねの感覚過敏に理解がなく(まぁ正直わからないよね)、肉が食べられないあまねに食べさせようとしたりします

きっと悪い人ではないんだろうけど、ただでさえ母親の彼氏って嫌なのに感覚過敏のあまねにはかなり苦痛だろうなと思いました

彼氏の影響で変わっていく母親

彼氏ができたことで母親が変わっていくのも残念に思いました

あまねは母親のことを「変わっていてほったらかしてくれるから好き」と言っていましたが、彼氏の影響でちゃんとした母親になろうとしだします

母親もシングルマザーで大変だろうけど、正直あまねがかわいそうでした( ;∀;)

あまねの実の父親

あまねの父親が出て行った理由を「自分の感覚過敏がひどく治そうとしたが治らず、限界がきて出て行った」とあまねは思っています

そのことで自分を責め、母親のためにも新しい父親の前では頑張ろうとします

ケケケ同好会に反対していた樹李先輩があまねを認める

ケケケ同好会に反対していた樹李先輩があまねを認めたシーンも良かったです

多分樹李先輩は部活も勉強もなんでもできる人なんだと思います

しかし足を怪我したことで陸上部のマネージャーになってしまい、それが受け入れられていない

そんな中でなにもしていないように見えるあまねが許せない、だからケケケ同好会を認められなかったのかなと思います

(あまねはあまねで普通に過ごすことが難しいんだけどね)

ただ最後にはどこの部活にも入れないあまねのつらさを理解し、生徒会に入ることを勧めてくれます

最後には生徒会長になったあまね

ドラマの終盤、あまねは生徒会長に立候補します

立候補する理由は母親の介護のため学校に行けず留年した松木の居場所を作るためと、自分が部活に入りたくないから

最後の演説であまねが言うセリフがすごく良かったです!

ちなみに選挙でのあまねの公約

  • 部活動の強制入部をなくす
  • 生徒も先生も楽に笑って過ごせる場所にしたい
  • 休憩したい人は休憩すればいい
  • 頑張りたい人は頑張ればいい
  • みんな好きにすればいい

印象に残っているセリフ

とにかく印象に残る良いセリフが多いドラマでした!

特にあまねのセリフは「心に刻んでおきたい」と思うくらい良いセリフが多く、つらいときに思い出したくなります

印象に残ったセリフ

  • 「なにもしない、私はもう頑張らないよ」…あまね
  • 「どうせ大人になったら忙しく働かなきゃいけないわけだし、だったら今くらいご機嫌に休んでいたいだけ」…あまね
  • 「私たちとっても偉い」…あまね
  • 「お互い自己防衛に努めましょう」…松木
  • 「無理なものは無理」…あまね
  • 「健康で健全なところがそっくり。どうしようもないことなんてないって本気で思っている」…あまね
  • 「自分勝手でほおっておいてくれる響ちゃんが好き、変わらないでよ」…あまね
  • 「私はお母さんなの」…あまねの母親
  • 「松木さんは頑張った、頑張りすぎたよ」…あまね
  • 「不機嫌なモンスターにならないためにはたゆまぬ努力が必要だ」…あまね
  • 「人生のほとんどを占めるケの日こそ、ご機嫌でいきましょう」…あまね

印象に残るセリフは本当はもっとあるけど、特に印象に残ったのはこんな感じです

その中でもあまねの母親の「私はお母さんなの」は重く残りました(T_T)

これはあまねとの朝食シーンで出てくるセリフです

このシーンは見ていて本当につらくて、新しい家族を壊さないよう頑張るあまねと、変わっていく母親が描かれています

もともと母親とあまねは二人だけで自由に誰の目を気にせず暮らしてきました

しかしそこに母親の彼氏ができて将来その人があまねの父親になる、それによりこれまでどおりの生活ができなくなることが予測されます

母親に対して彼氏は「あまねをほったらかしすぎ、もっと母親らしくしないと」と怒ります

私もそうですが子どもと自分だけなら結構自由に過ごせるというか、まわりを気にせず子育てができます

しかし他の家族がいたり、学校などの社会に入らなければならなくなるとそれまでのペースで子育てができなくなります

社会性を育てるためには仕方がないかもしれませんが、感覚過敏や発達障害、不安症などの特性があると難しいこともあります

特性のある子どもがいる場合、まわりの大人はその特性についての理解が必要です

あまねの場合は感覚過敏があります

しかし理解のない人からすると「食べ物の好き嫌いが多い」「音に敏感すぎる」とただの努力不足、わがままに見えます

特に「頑張れば克服できる」タイプの、いわゆる根性論タイプには理解しがたいのかもしれません・・・

(ドラマだと、担任の先生、樹李先輩、母親の彼氏がこのタイプ)

あまねは母親の彼氏のことを

「パパに似てる。健康で健全なところがそっくり。どうしようもないことなんてないって本気で思っている」と言います

あとはあまねのクラスメイトで母親の介護をしている松木のセリフ、「自己防衛に努めましょう」もすごく良いなぁと思いました

自分が壊れないように自分を守るって大事です

でもこれって日本ではあまり良くないことというか、とにかく頑張れ、無理をしろって感じですよね(;^ω^)

娘が不登校になった今は「自分の身を守るために逃げるって大事だな」って思っています

生きづらさを感じる人に見てほしい

久々にドラマを見て泣きました( ;∀;)

私の娘も少し感覚過敏だなと感じるところがあり、不登校ということもあって見てみましたが、そうじゃない人にもぜひ見てほしいです

特に人と違う部分があることで生きづらかったり、努力してもどうしようないことがあって人生に希望が持てない人におすすめしたいです

きっとどこかには自分と同じ感覚を持ったり、人の痛みがわかる優しい人もいるはずです

どうにもならないことが多い世の中だからこそ、どうにかなるところは楽をしましょう!

人生のほとんどを占めるケの日こそ、ご機嫌にいきましょう^^

↓ドラマはNHKオンデマンドで見ることができます

↓ドラマを監修した感覚過敏研究所の加藤さんのHPです

感覚過敏のため不登校を経験し、12歳で感覚過敏の人のための会社を起業しています

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