2023年10月9日 北海道立道民活動センターかでる2.7にて、
「不登校を語る親カフェ ポレポレ」主催の不登校フォーラム、
「不登校 みんなどうしてる?」に行ってきました。
最近小学生の子どもが不登校になり、初めてこのような講演会に参加しました。
印象に残った話、感想などを書き留めたいと思います。
主催の「不登校を語る親カフェ ポレポレ」とは
今回主催した「不登校を語る親カフェ ポレポレ」では、札幌で月に1度不登校の親の会を開いています。
今回のフォーラムでは、ポレポレ代表のmitoさんもお話してくれました。
不登校に悩む保護者の方は誰でも参加できるので、もし興味があれば連絡してみてください。
mitoさんのHP
ゲストの2名について
今回のフォーラムのゲストはこちらの2名の方でした。
- 加藤弘通さん (北海道大学大学院 教育学研究員准教授)
- 高村さとみさん(フリースクール札幌自由が丘学園教員)
加藤弘通さんは現在、北海道大学大学院で教授をされています。
この日は不登校の子どもが社会に出て働けるのかななどを、データを元に話してくれました。
高村さとみさんは現在、フリースクール自由が丘学園で先生をされています。
フリースクールに来ている子どもたちが将来どうなっているかなど、
たくさんの不登校の子どもたちを見てきて感じたことを話してくれました。
当日のスケジュール
当日のスケジュールは以下のとおりです。
約2時間のフォーラムでしたが、正直もっと長くても良かったです(*^-^*)
13:15 開場
13:30 開会のあいさつ
13:40 ポレポレより話題提供(代表のmitoさんのお話)
13:55 高村さとみさんのお話
14:15 加藤弘通さんのお話
14:35 休憩
14:50 質疑応答
15:30 閉会
当日の雰囲気
当日の雰囲気をざっくりと。もし次回行かれるときの参考にしてみてください^^
会場
札幌駅近くの「かでる2.7」の4階大会議室(椅子と3人掛けのテーブル)
2階には飲食店が入っています。
会場横の廊下には、フリースクールや通信制高校のパンフレットなどが置いてありました。
またおすすめの不登校関連の書籍も閲覧できるようになっていました。
混み具合
定員150人のところ160人ほど来ていたようです。
3人掛けのテーブルも相席になり、みんな詰めて座っていました。
また休憩時間の女子トイレが少し並びましたが、他の階は空いていたので問題なし。
客層
おそらく30代以上の方が多かった印象。男女比は半々くらいに感じました。
学生世代?大学生くらいの方も。
不登校の親、祖父母だけではなく、学校の先生やフリースクール運営者の方もいたようです。
ゲスト
ゲストの高村さんと加藤さんはとても優しく、威圧感のない話し方で質問しやすい雰囲気でした。
個人的に不登校の親として心配なのが「説教されるのでは?」ということ。
自分の子育てを否定されたり、落ち込んで帰ることになるのではという心配があります。
しかしそんな心配はまったく必要なく、どちらとも不登校の保護者にとても寄り添って話してくれたと感じました。
会場の反応
ゲストの高村さんと加藤さんが話している際、うなずきながら聞いている人が多かったです。
また涙を流している人もいました。
たまに笑いが起こったりなど、終始雰囲気が良く優しさに包まれていて居心地が良かったです。
(ここにいる人の多くが不登校の保護者だと思うと、仲間意識ができて仲良くなりたかった・・・^^;)
質疑応答
質問は配られた「付箋」に書いて匿名で提出するという方法。
質問の数が多かったので、選出したものをゲストの高村さんと加藤さん、ポレポレのmitoさんが答えてくれました。
終了
正直「時間が足りな―い」と思った方が多かったのでは?
質疑応答の途中で終了したのですが、まだまだ質問に答えてほしかったです。
テレビ局も来ていました
テレビ局が来ていたようで、私の近くにカメラマンの方がいました。
休憩中には登壇者の方にインタビューもしていました。
もちろん参加者の顔は映らないようになっていたので安心(不登校の親はコソコソしがち・・・(._.))。
テレビのニュースで少し放送していたようですが、もっと大々的に取り上げてほしいですね!
印象に残った話
私が印象に残った話をいくつかご紹介します。
- フリースクールに通ってるのは不登校の4%以下
- ゲームをするのは現実逃避
- 昼夜逆転するのは学校を忘れたいから
- 朝は体調が悪いのに昼から良くなる理由
- 不登校ビジネス
- 不登校の問題はジェンダー問題
- 脱ゆとり教育で不登校は増え始めた
- 不登校でも大丈夫
フリースクールに通ってるのは不登校の4%以下
子どもが不登校になると「フリースクールに行かせなきゃ」と思う親も多いはず。
まわりからも「今はフリースクールがあるから不登校でも大丈夫だよ^^」なんて励まされたり。
私も早くフリースクールに行かせなきゃと焦りましたが、
「フリースクールに通っているのは不登校の子どものうちのたった4%」と聞いて安心しました。
ゲームをするのは現実逃避
毎日家で子どもがゲームやYouTubeばかりしているとイライラしますよね。
「学校にも行かないで好きなことばかりしてどうするの!」と私も言ったことがありました。
そしてゲームやYouTubeを取り上げれば学校に行けるかも?と禁止にしたこともあります。(もちろん行かない)
しかし高村さんの
「ゲームをするのは現実逃避のため、学校のことを忘れるためにしている」
という言葉にハッとさせられました。
子どもはゲームをして元気そうに見えるけど、実はそうじゃないのかも・・・。
親としては心配ですが、心が元気になるまで待つしかないのかもしれません。
昼夜逆転するのは学校を忘れたいから
昼夜逆転も不登校あるあるです。
高村さんが
「昼間起きていると学校のことを思い出してしまう」と話していました。
とにかく元気になるまで待つしかないようです・・・(親はめちゃくちゃ不安)
朝は体調が悪いのに昼から良くなる理由
これも不登校あるあるです。
朝は体調が悪いから休ませたのに、だんだん元気になっていく姿を見るとイラっとしますよね( ;∀;)
しかし子どもは嘘をついているわけではありません。
本当に朝は体調が悪く、昼過ぎになると「今日はもう学校に行かなくてもいいんだ」と思うので元気になるそうです。
不登校ビジネス
実は不登校ビジネスという言葉は聞いたことがありませんでした。
これは子どもが不登校になり親が精神的に弱っているところに、「お子さんの不登校を治しますよ」と近づいてくるというもの。
たとえばネットで「不登校」で検索すると、そういったカウンセリング先などが出てきます。
最近はLINEで登録させるものもあり、登録すると毎日連絡がくるんだとか・・・。
最終的に高額なカウンセリング代がとられたりするそうです。
不登校の問題はジェンダー問題
加藤さんが
「不登校はジェンダー問題、女性の働き方に影響がある」と話していました。
たしかに子どもが不登校になると仕事を辞めざるを得ない母親は多いですよね。
脱ゆとり教育で不登校は増え始めた
年々不登校の数は増加しています。
しかし減っていた時期もあり、それがゆとり教育期間中でした。
その後脱ゆとり教育に入り不登校が毎年増えだしました。
不登校でも大丈夫
高村さんが何度も「不登校でも大丈夫です」と言っていました。
これは無責任に言っているわけではなく、実際にフリースクールで不登校の子どもたちを見ていてそう感じるそうです。
不登校だった子どもが大きくなって大学生になったり、海外に行ったり、働いたり、結婚して子どもがいたりなど、
そういう姿をたくさん見ているので「不登校でも大丈夫」と言えるんだと思います。
良かった点
今回が不登校のフォーラムに初参加でしたが、良かったと思う点をいくつか。
質問を紙に書いて提出
後半に質疑応答の時間がありました。
ゲストのお2人とポレポレ代表のmitoさんが答えるのですが、その質問の仕方が紙に書いて提出するというもの。
不登校のフォーラムということで、みんなの前で質問しづらい人もいると思います。
休憩時間に紙に質問を書いて(当然匿名)提出するという方法はとても良いと思いました。
特にみんなの前で意見を言いにくい日本人には合っていると思います。
フリースクールのパンフレットなどの配布
入口の前に札幌にあるフリースクールのパンフレットなどが置かれていました。
子どもが不登校になり、ネットでフリースクールについて調べる人は多いと思います。
しかし情報が古かったり、どんな活動をしているのか詳しく知れずに困ることも・・・
今回のフォーラムでは、なかなか手に入れることのできないフリースクールのパンフレットがいくつかありました。
私も初めて見るところが多く「意外とフリースクールってあるんだな」と感じました。
これをきっかけに行ってみたいと思うところも見つけたので良かったです^^
全体的にリアルな当事者目線の話が聞けた
不登校のフォーラムには初めての参加でしたが、こういった講演会は他にもあるそうです。
しかし主催者によっては、不登校の保護者を楽にさせるどころか逆に追い詰めるような内容のところも・・・。
今回のフォーラムでは不登校の親目線で話がされていたと感じました。
特にポレポレ代表のmitoさんの話は、不登校の親として共感することが多くなんども涙が出てきました(/_;)
とても優しい雰囲気の会場だったので、ぜひまた参加したいと思います。
mitoさんのHP
今回「不登校を語る親カフェ ポレポレ」にとって、初めてのフォーラムだったそうです。やはり不登校の親主催のフォーラムだからこそ、参加者も満足のいく結果になったのではと思いました。
今後の要望
もしまた開催されるなら、少し要望を・・・(._.)
もっと時間を長くしてほしい
正直2時間じゃ足りないくらい濃い内容でした。
無駄なところ、興味のないところが一切ありません。
ゲスト一人一人の話をもっと聞きたかったし、質疑応答の時間ももっとほしかったかなと(/_;)
それだけ悩んでいる人が多く、悩みも年齢や学校によって違う。
次回は3時間以上やっても良いかも?(主催者の方が大変なのかな?お金とっても良かったのでは)
こんなゲストを希望
個人的にお話を聞いてみたいのが
- 元不登校で現在学生や社会人
- 元不登校の子どもの親
- 通信制高校に通う学生、卒業生
- 教員
- 精神科医の方
- 外国人
など
元不登校で現在学生や社会人
元不登校で現在学生や働いている人の話を聞いてみたいです。
そして「今は不登校でも大丈夫」という安心できる話が聞きたいです。
元不登校の子どもの親
昔子どもが不登校だったという保護者の方の話を聞いてみたいです。
子どもにやって良かったこと、逆に後悔していることなど参考になる話がありそうです。
通信制高校に通う学生、卒業生
小学校、中学校で不登校だった子どもは通信制高校に進学する子どもが多いです。
実際に通信制高校に通っている学生や卒業生に、通信制高校について詳しく聞いてみたいです。
教員
現役でも元教員の方でもいいですが、不登校についてどう思っているのか聞いてみたいです。
また不登校の親としてどう学校と関われば良いのかなど教えてほしいです。
精神科医の方
医療の専門家の方から見て不登校はどうなのか聞いてみたいです。
また子どもにどのように接すれば良いのかも教えてほしいです。
外国人
外国人という言い方はあまりよくないのかもしれませんが・・・
海外の教育がどのような感じか、日本の教育はどうなのかなど聞いてみたいです。
また海外ではホームスクーリングが認められている地域もあるので、どのようにおこなうのかなど。
不登校の親以外にも参加してほしい
今回のフォーラムに参加していた方の多くは不登校の親だと思います。
しかし今や誰でも不登校になる可能性はあります。
だからこそ今学校に通っている子どもや、その親にもぜひ参加してほしいと思いました。
それくらい濃い内容で、会場にいた人だけではもったいないと思います。
こういうフォーラムをやっていることを知らない人もいると思うので、
ぜひ学校などでも告知してほしいです。
YouTubeなどで生配信できたら、遠方に住む方でも参加できるので次回お願いしたいです・・・(._.)
配布された資料でダウンロード可能なもの
今回のフォーラムで配布された資料の中でいくつかHPから閲覧、ダウンロード可能なものがありました。
そちらをご紹介したいと思います。
学校とのやりとりに関する依頼文フォーマット
多様な学びプロジェクトという団体が作成した
学校とのやりとりに関する依頼文フォーマットが配られました。
子どもが学校に行けなくなり、学校と今後どのように関わっていきたいのかなどを
不登校の保護者にアンケートをとって作成したものです。
たとえば
- 毎日の出欠連絡の方法、有無
- 給食費は払い続けるのか
- 教材費は払い続けるのか
- プリント類の受け渡し方法について
- PTA活動はどうするのか
- 出席認定や通知表について
など
私も以前、こちらのHPから印刷して記入したものを学校に提出しました。
その結果、学校からの電話連絡の頻度が減り、出欠連絡もなくなって心が楽になりました(/_;)
不登校の段階表
明るい不登校を応援する会という団体が作成した
明るい不登校の段階表も配られました。
この表から子どもが今どんな状態なのか、親はどう接すれば良いのかがわかります。
おわりに
今回初めて不登校の講演会に参加しました。
驚いたのは「こんなにも不登校の保護者がいるのか」ということ。
ただいろんな年齢層の方がいたので、保護者以外にも祖父母や教員の方もいたようでした。
それだけ不登校に関心を持っている人が増えているのだと思います。
終始会場の雰囲気はとても良く、うなずいたり涙を流している人もいました(私もその一人です)。
また機会がありましたらこのような講演会に足を運びたいと思います ^^
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